著作権(copyright)⇔コピーレフト(copyleft)

2013年6月6日

サト先輩に「そろそろシノブが、また書いてちょうだい」と命令され、あわててネタ探しをしているシノブです。

コピーレフトって?

今回は著作権のお話。といっても左です。コピーライトに対してのコピーレフトです。
コピーレフトライセンスで、ぱっと思い浮かぶのは、ソフトウェアなどオープンソース関連のライセンスでしょうか。GNU、Apache、BSDあたりをよく見かけると思います。
コンテンツではクリエイティブ・コモンズ・ライセンス。たとえば Wikipediaがクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(以下、CCライセンス)で意思表示していますね。

日本の法律では著作権の放棄はできません。何かを作ればその作品に対して著作権は自動的に発生します。その上で権利によって守られている利益の一部を放棄してもいいよ、というのがコピーレフトの考え方で、その意思表示の手段のひとつとしてCCライセンスを表示します。
「引用」などの著作物の一部の利用は、著作権に侵害しないと認められていますが、もっと積極的に使ってもいいよ!と宣言するのがコピーレフトです。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)

CCライセンスの種類は4つあり、これらを組み合わせ(もちろんひとつだけでも良い)、自分の作品をどのような形で流通させたいかの宣言をします。
  • BY : 表示
    作者や作品に関する情報を表記する
  • ND : 改変禁止
    作品を改変しない(その作品の全部または一部をそのまま利用する)
  • NC : 非営利
    非営利目的で利用する
  • SA : 継承
    改変はOK。改変し新しい作品を作成した場合は元の作品と同じライセンスを付ける
なお、CCライセンスを使う場合は[BY(表示)]は必須です。

例えば、サトさんが作詞作曲し歌っている曲が、YouTubeに公開されているとします。この曲のCCライセンスは[CC BY-SA]。
この曲をシノブが歌います。アレンジも替え歌も編曲も、音を販売してもOK。

では、作詞作曲サトさんの曲をシノブが歌い公開する場合、CCライセンスは何にすればよいのでしょう?

答えは、基本的に、元のラインセンスよりも緩いライセンスを付けることはできません。最低ラインはオリジナルのラインセンスです。この場合、サトさんの名前をクレジット(BY)し、自分の作品にも同じCCライセンスを付ける(SA)こと。
そして自分のライセンスを追加するのも可能。商用利用してほしくなければ非営利(NC)を追加します。

と要するに、されたくないこと、または、していいことを明記するのが、コピーライトとの違いです。

2012年秋に、佐藤秀峰氏が「ブラックジャックによろしく」のフリーダウンロード、二次利用フリーを宣言し話題になりました。その後、大手企業のCMなどでもよく見かけるようにもなりました。これはまるっきりフリー。好きにしていいのよ、のふとっぱら作戦です。
規約を読むと、ダウンロード版はまったくフリーだけど、既に出版したものなど(佐藤氏以外の権利がからむもの、という考えかたでしょうか)については、だめ。それから、使ったらあとから報告してちょうだいね、と書いてあります。
クリエイティブ・コモンズでいうところの、[BY]ですね。
事後報告は付け足す感じでしょうか。

インターネット上には合法、違法、グレーなものなどいろいろなものが落ちています。
規約も堅苦しい長い文章なので読むのは大変ですが、人の権利を侵害せずに、自分も楽しむことが重要ですね。

クリエイティブ・コモンズ・ジャパン
http://creativecommons.jp
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
http://creativecommons.jp/licenses/

佐藤峰秀氏 漫画 on Web
http://mangaonweb.com/welcome.do


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シノブ氏が真面目に寄稿してくれたのに聞きながら遊んでたサト。ごめんなさい。

WEB用素材なんかを探してまわってる時によく目にするよね、CCライセンス。